IT人材不足に悩んでいる方のなかには、外国人採用について前向きに検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その中には、
・外国人エンジニアってどのように採用するの?
・自社も本当に外国人採用をすべき?
と悩む方も多いと思います。
この記事では、外国人エンジニアの中でも、バングラデシュのエンジニア採用について解説します。バングラデシュは親日国でIT大国とも言われています。ぜひ参考にしてみてください!
バングラデシュの特徴
まず、バングラデシュの基本情報を紹介します。下の図のように、バングラデシュの国土面積は14万7千平方キロメートル、人口は1億6,935万人(2021年)と人口密度が非常に高いです。公用語はベンガル語で、成人(15歳以上)の識字率は75.6%、(2020年、バングラデシュ統計局)イスラム教徒が88.4%を占めます。
出典:)「グラフで見るバングラデシュの人口密度 」GraphToChart
親日国
まず、1つ目の特徴としては親日国であるということが述べられます。外務省も「経済協力関係を中心に友好関係が発展。極めて親日的な国民性。」と記述しています。
また、バングラデシュの国旗が日本に似ているのは周知の事実で、「建国の父」と呼ばれたムジブル・ラーマン初代大統領が、「日本に魅せられ、日の丸のデザインを取り入れた」と彼の娘である現ハシナ首相が述べています。
IT大国
バングラデシュは、意外にもIT大国であるということをご存じでしょうか。ITエンジニアの平均給与は数万円前半ということもあり、オフショアとしても注目を集めています。バングラデシュ人のエンジニアにとっても、母国よりも給与の高い日本で働きたいという人が多いでしょう。
【参考文献】「バングラデシュ人民共和国基礎データ」 外務省
ちなみに、オフショアとは、英語の「offshore」のことを指し、直訳すると「国外で」という意味です。
ITにおいてオフショアは、コスト削減、主に人件費削減を目的として、自社で行っていた業務の一部を、日本よりも人件費の安い海外に委託したり移管したりすることをいいます。
バングラデシュ人エンジニアの特徴
意外にもIT大国であるバングラデシュですが、バングラデシュ人のエンジニアにはどのような特徴があるのでしょうか。
上昇志向が強く競争力が高い
バングラデシュは前述したように世界でもトップクラスに人口密度が高いといえます。そのため、大学入試などでも苛烈な競争が起こります。
また、社会もまだ成長過程にあるため経済格差も大きいです。そのため、幼い頃から上昇志向を持っている人が多く、結果として競争力が高い人が多いと言われています。
短期的に物事を考える人が多い
バングラデシュの成長速度は早いですが、まだ不安定な点も多くあります。
国の福祉や保障制度が充実していないため、中流層であっても貯蓄が十分にある人は少ないのです。そのため、どうしても物事を長期的に考えにくい状況にあります。
バングラデシュ人エンジニアを採用するメリット
では、バングラデシュ人のエンジニアを採用するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
助成金・補助金を貰える
「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」の第3回会議(平成30年12月25日開催)において了承された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」において、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備が必要との方針が示されたこと等を踏まえ、労働関係法令等の遵守や公正な待遇の確保等、多様な人材が安心してその有する能力を有効に発揮できる環境を整備するため、外国人雇用管理指針が改正されました。
このように、日本では補助金や助成金の制度以外にも外国人採用を奨励していることがわかります。そのため、外国人を採用することは金銭的なメリットもあるといえます。
■助成金・補助金に関しては下記の記事で紹介しています。
親日国のため、接しやすい
先ほども述べたように、バングラデシュは親日国です。このことは、エンジニア採用の観点からも大きなメリットになります。
まず、採用しやすい点、内定を承諾してもらえる可能性が高い点がメリットです。また、実際に一緒に働くことになった場合も日本の文化への理解がされやすいでしょう。
バングラデシュ人エンジニアはブルーオーシャン
バングラデシュは意外にもIT大国だということは前述しましたが、まだその優秀さは広くしられておらず、現地の給与も比較的かなり安いです。そのため、採用コストと労働コストを下げることができます。よって、給与待遇が欧米などに比べると低い日本でも優秀な人材を確保するチャンスがあります。
出典:)「バングラデシュ1人当たりの家計収入 」CEIC Data
バングラデシュ人エンジニアを採用するデメリット
一方で、バングラデシュ人のエンジニアを採用するデメリットもあります。
宗教や文化が異なる
これは、外国人エンジニアを採用するほとんどの場合で起こります。そのため、特に外国人を採用したことがない企業の場合に戸惑いが生まれるでしょう。
また、バングラデシュ人は9割近くがイスラム教徒であるため、キリスト教よりも馴染みが浅いかもしれません。バングラデシュ人のエンジニアを採用することが決まった場合は、イスラム教について学んでおくと良いでしょう。
■外国人労働者の文化・価値観の違いに対する対処法に関しては下記の記事で詳しく解説しています。
言語の壁がある
これも外国人を採用する場合は必ず起こりえるデメリットです。加えて、バングラデシュの公用語はベンガル語だという点も不安点かもしれません。しかし、バングラデシュは以前はインドだったということもあり、多くの人がネイティブもしくはビジネスレベルの英語を話すことができます。面接の際などに言語の問題を確認し、対応できる人を常駐させておきましょう。
バングラデシュ人エンジニアを採用する方法
実際にバングラデシュ人のエンジニアをどうやって採用するのかについて詳しく説明します。
オンライン求人サイト
オンライン求人サイトは、すぐに広範囲の求職者にリーチすることが可能です。
求人サイトに企業アカウントを作成し、求人を投稿します。
バングラデシュの労働市場に特化したサイトも存在しており、たくさんの候補者から選ぶことができます。
LinkedInの活用
LinkedInは世界中のプロフェッショナルが利用するネットワークで、バングラデシュのエンジニアも多く利用しています。
直接候補者にコンタクトを取るか、こちらも求人広告を投稿することができます。
無料でも有料でも利用することが可能なのでご予算に合わせて求人を行うことができます。
人材エージェントの活用
現地の人材エージェントに連絡を取り、現地の大学に連絡をとってもらいます。
彼らは地域の労働市場に精通しており、適切な候補者を見つけることができます。
求めている人材を厳選して紹介してもらえるので若くて優秀な人材を見つけることも可能です。
紹介からアフターサポートまで充実しているエージェントを選ぶことで安心して採用ができます。
ソーシャルメディアとフォーラム
Facebook、Twitter、Redditなどのソーシャルメディアプラットフォームや技術フォーラムを利用して、バングラデシュのエンジニアコミュニティにアプローチすることもできます。
信頼性が担保されていないが、費用がかかりにくいことが特徴です。
国際的なジョブフェアとイベント
エンジニアリングやテクノロジー関連の国際的なジョブフェアや業界イベントに参加することで、バングラデシュのエンジニアと直接接触する機会を得ることができます。
コストと労力がかかることを考慮する必要があります。
■外国人労働者の日本語教育については下記の記事で詳しく解説しています。
外国人労働者の日本語教育の現状とは?具体的な方法や注意点を解説バングラデシュ人エンジニアを採用するときの注意点
では、実際にバングラデシュ人のエンジニアを採用するときの注意点はどのようなものがあるでしょうか。
宗教や文化への理解が必要になる
まずは、宗教や文化への理解が必要だという点です。前述したように、バングラデシュ人の9割がイスラム教のためキリスト教よりも知らないことが多いでしょう。イスラム教の方を採用する際に配慮すべき点は以下の点です。
・食事
・礼拝
イスラム教はキリスト教よりも厳格で食事にも教えがあり、それに則った食事を「ハラル」といいます。代表的には、豚を食べることができない点、アルコールを摂取できない点などがあります。社員食堂がある場合などは気を付けましょう。どれくらい厳密にルールに従うのかは個人により差があるためそれぞれ確認することがおすすめです。
礼拝については、イスラム教は1日5回の礼拝が決まっています。ただ、これにも個人差があり仕事でどうしても時間を確保できない場合は昼休みにまとめて行う人もいる一方で、譲歩できないという方もいます。個人に確認し、礼拝する場所を確保することや、社内全体で礼拝そのものへの理解を示すことが重要です。
転職の文化がある
バングラデシュも他の海外諸国と同じように、転職の文化があります。日本の終身雇用、年功序列という文化で考えての採用はおすすめできません。
しかし最近は日本でも多くの企業が転職を前提に採用しているためそれほど心配はないでしょう。
また、海外で働くほど行動力がありハングリー精神旺盛なバングラデシュ人は、成長できない環境だと考えたら一般的な日本人よりすぐに離職してしまう可能性があるかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。バングラデシュ人のエンジニア採用について、国の基本的なデータから性格の特徴まで幅広く解説しました。
バングラデシュは親日国である上に、ITについても発展が著しい国でもあります。ぜひ本記事を参考に、バングラデシュ人のエンジニアの採用を前向きに検討してみてください。