外国人採用

外国人労働者の内定取り消しと、就労ビザの取り下げの手続きと対処法とは?

外国人労働者の内定取り消しと、就労ビザの取り下げの手続きと対処法とは?

日本国内において、少子高齢化といった背景により働き手の不足が深刻な社会問題となっています。企業にとって労働力の確保は重要であるため、外国人雇用への関心や積極的な採用を行う企業も増えています。
しかし、外国人雇用において日本国内の法令が適用されないという誤った考えは、内定取り消しを安易に行う可能性があります。これは求職者の権利だけでなく、雇用主の評判や採用活動にも悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
本記事では、外国人雇用の内定取り消しと就労ビザの取り下げにおける理由や対策、必要な手続きを解説します。

外国人雇用の内定取り消し

外国人雇用の内定は取り消すことができるのか、本来の「内定」の意味を踏まえながら解説します。

内定とは?

そもそも採用における「内定」とは、労働者と使用者(企業)の間で、入社してからの雇用契約について合意が得られた状態のことを指します。

「内定」は法的には労働契約の一部として扱われ、裁判所の判決においても通常「労働契約が成立したもの」と解釈されています。このような内定による労働契約は、「始期付解約権留保付労働契約」と一般的に呼ばれています。

つまり、法律上の内定は、雇用主と求職者が「入社日までは解約権が留保された状態の労働契約」を締結していることを意味します。
これは、双方にとって一定の期間(通常は入社日まで)内で契約の解約が可能であることを示します。したがって、内定を通知することは、労働契約の一部として法的な効力を持つことを意味します。内定を取り消す場合は、契約条件や法的義務に従って慎重に行わなければなりません。

外国人雇用の内定は取り消し可能?

「内定」は、求職者と雇用主との間で労働契約が成立している状態であり、雇用主が都合により内定を取り消す場合は、契約の一方的な破棄と見なされます。そのため、外国人でも日本人と同様に、合理的な理由がない限り内定取り消しは無効とされることが一般的です。

法的には、内定取り消しには正当な理由が必要であり、それに違反する場合、求職者は損害賠償を求める可能性があることに留意する必要があります。したがって、内定取り消しを検討する際には、法的なアドバイスを受けることが重要です。

外国人採用の際の注意点について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
外国人の採用手続きの流れとは?必要書類や雇用前に確認すべき点を解説

就労ビザとは

外国人雇用を行う際に、就労のための在留資格である「就労ビザ」の取得が必要になります。

そもそも就労ビザとは、外国人が日本で働くことを目的として取得する在留資格の俗称です。就労ビザは入管法によって定められており、優れた知識や技術を持った外国人を受け入れるために発行されますまた、就労ビザは外国人一人につき1種類のみしか取得できず、資格ごとに就労可能な仕事が変わります。

外国人の方は、出入国管理及び難民認定法で定められている在留資格の範囲内において、日本での活動が認められています。

【参考文献】
外国人の方を雇う際に確認すべきこと」厚生労働省
就労資格証明書(入管法第19条の2)」出入国在留宇管理庁

就労ビザ(在留資格)について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
外国人労働者の種類とは?在留資格やビザの分類、技能実習生との違いを解説

内定取り消しに伴う就労ビザ申請取り下げの手順

「内定取り消し」に伴う就労ビザの取り下げの手順について紹介します。

就労ビザの審査中に辞退・内定取り消しをした場合

就労ビザの審査中に内定者の内定取り消しまたは辞退をした場合、出入国在留管理局への取り下げをすることができます。
会社が代理人として申請した場合は会社が取り下げることができます。取り下げは口頭やメールではできず、書面でする必要があります。

取り下げの書面で最低限必要な記載内容は、
・取り下げ日
・申請者の氏名、国籍
・申請を行った生年月日
・申請番号
・取り下げの理由
・申請人、雇用した会社の署名押印
が必要です。

申請した際の受付票と共に、取引書を管轄の出入国在留管理局に持参する必要があります。

許可直後に内定者(外国人雇用者)が辞退した場合

審査後、つまり在留資格が既に交付された後の内定取り消しの場合は「取り下げ」ではなく「在留資格返却」という手続きで行います。

【参考文献】「内定を取り消す際の注意点」外国人雇用&就労ビザ相談センター

就労ビザの取消手順においての注意点

外国人雇用における内定取り消しは、国際的な要因を考慮に入れながら慎重に行う必要があります。ビザに関連する法的要件や求職者の権利を尊重し、透明性と誠実さを保つことが、問題を回避し、良好な雇用主の評判を維持する鍵です。

就労ビザを取得する際の手順と注意点について詳しくはこちらをご覧ください。
エンジニアビザとは?取得手順や注意、必要書類について詳しく解説!

内定と就労ビザを取り消しする際に企業が注意すべき点

外国人雇用者の内定を取り消す際、内定者のキャリアに影響を及ぼす恐れがあります。そのため企業側は実施後に生じる不利益について注意する必要があります。そこで、内定を取り消しする際に生じる不利益を3つ紹介します。

・企業のイメージダウン
・優秀な人材を確保することへのリスク
・外国人雇用を実施することが困難になる

企業のイメージダウン

内定取り消しにおいて、適法であっても納得感のない求職者が情報を発信し、それがSNSを通じて広まる現代社会では、企業の評判に深刻な影響を及ぼす可能性が高まります。
外国人労働者間のコミュニケーションが活発であるため、情報の拡散がより迅速に行われ、影響範囲も広まります。また、情報は長期間にわたり掘り返され、企業の新たな人材確保にも悪影響を及ぼすでしょう。

このリスクを最小限に抑えるためには、内定取り消し時には適切な説明と納得感を求職者に提供することが不可欠です。透明性と誠実さを大切にし、情報の拡散を防ぐためにも、求職者とのコミュニケーションに心を配るべきです。また、内定取り消しの決定に至る過程も公正で一貫性のあるものであることが大切です。

企業の評判は長期的な成功に大きく影響し、外国人労働者との信頼関係を築くためにも、内定取り消しに際しては十分な検討と対応が求められます。

優秀な人材を確保することへのリスク

内定取り消しを行った雇用主には法的な罰則は存在しませんが、新卒者採用の場面で内定取り消しが問題になると、厚生労働大臣によって企業名が公表されることがあります。
この公表は企業の評判に大きな影響を与え、将来の人材確保にも悪影響を及ぼす可能性があるため、雇用主にとっては重大な措置と言えます。
従って、内定取り消しを検討する際には、慎重な判断と透明性を持った対応が求められます。

外国人雇用を実施することが困難になる

外国人の雇用においては、在留資格の取得申請が必要な場合があり、その審査中に内定取り消しを行うと、在留資格の取り下げ手続きが必要です。この手続きは外国人労働者の将来の受け入れに影響を及ぼす可能性があります。

内定取り消しによる在留資格の取り下げ申請は入国管理局に報告され、雇用主の信頼性にも影響を及ぼします。これが継続的な外国人労働者の受け入れに対する障壁となり、企業にとっても競争力の低下を招く可能性があります。

したがって、内定取り消しを行う際には、その重大性を認識し、適切な対応とコミュニケーションを行うことが、今後の外国人雇用に対する信頼性と可能性を保つために重要です。

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まとめ

この記事では、外国人雇用を行う際の注意点と内定取り消しを行った際の手順について解説しました。企業にとっても外国人労働者にとっても内定を取り消すことにメリットはありません。
そのため外国人を採用する際は、事前に必要な手続きや適切なサポートを確認することが大切です。他記事で外国人採用の注意点について紹介しているので、是非ご覧ください。






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