外国人採用

外国人人材の定着率を向上させるには?離職率が高い理由や人事施策を解説

外国人人材の定着率を向上させるには?離職率が高い理由や人事施策を解説

外国人材を受け入れてから課題になるのが「定着率」です。
日本の独特な企業風土が合わず、離職してしまう外国人材も少なくないはずです。

それに加え、外国人材を雇用する場合、日本人を雇用するときにはない手続きが必要になります。

もし、外国人材がすぐ辞めてしまったら、採用活動や指導に費やしたコストや時間は無駄になり企業側の損失は大きくなります。

そこで今回は、外国人材の雇用を検討している企業様や、すでに外国人労働者を社員として迎えている企業様向けに、外国人材が定着しない理由や定着率を上げるための取り組みについて解説します。

外国人人材の定着率・離職率状況

外国人人材の雇用状況を解説します。

外国人人材の離職率

厚生労働省による外国社員の離職率の調査結果を見ると約45%の方が離職しており、半数近くの外国人が離職しているような状況です。

こうした背景には外国人社員が言語の壁や文化の違いなど、乗り越えなければならないハードルが多くあることが挙げられます。

また、そうしたハードルは外国人社員本人だけでなく会社として乗り越えるべきハードルでもあります。

【参考文献】「直接雇用の外国人労働者の入職、離職状況 」厚生労働省

外国人人の定着率

ヒューマングローバルホールディングスによる外国人社員の離職率調査によると、約3割が入社後1年以内に離職を経験したことがあると回答しています。このことから外国人材の定着率の高さが分かります。

 

外国人労働者の離職状況

 

早期離職の大きな要因としては

・上司のマネジメント・指導に対する不満
・業務内容のミスマッチ
・給料が安い、残業代が支払われない
・職場の人間関係に対する不満

が上位に挙がっています。

 

外国人労働者のモチベーション

 

モチベーションダウンの実態によると、早期離職していない外国人材のうち53%がモチベーションダウンを経験していることが分かります。

モチベーションダウンの要因としては、

・上司のマネジメント・指導に対する不満
・業務内容のミスマッチ
・職場の人間関係に対する不満
・外国人に対しての差別・偏見がある

が上位に挙がっています。

【参考文献】「【共同調査】日本で働く外国籍人材の超早期離職率28%、モチベーションダウン率53%の実態とは? ~日本国内の就労者受入れで工夫すべきポイントを調査~
」ヒューマンホールディングス株式会社

外国人人社員が定着しない理由

外国人社員の離職の原因として、具体的に以下のようなものが挙げられます。

・外国人社員向けのサポート不足
・日本の昇進の遅さ
・業務内容のミスマッチ
・給料が安い、残業代が支払われない
・職場の人間関係に対する不満

外国人社員が定着しない5つの理由について詳しく説明します。

外国社員向けのサポート不足

外国人社員が定着しない理由の一つに、外国社員向けのサポートが実施されず、日本人社員と同等の扱いをされることが挙げられます。

実際に、多くの企業の採用ページは日本語で埋め尽くされており、多言語に対応しているサイトはほとんどありません。

就職活動という日本固有の風習を維持し、その風習に合わせた外国人の採用を行っている企業が多くを占めています。

留学生の就職活動と入社後の実態に関する定量調査
上記のデータによると、「社内の掲示が日本語以外で書かれている」は10.5%、「日本語以外で対応してくれる相談窓口」7.5%と、企業からの言語サポートやコミュニケーション支援が不足していることがよく分かります。

外国人社員を定着させるためには、誰もが働きやすい環境を提供したり、外国人労働者向けのサポートを実施することが大切です。

【参考文献】「留学生の就職活動と入社後の実態に関する定量調査」パーソル総合研究所

外国人労働者に対して、文化の違いへのサポートはこちらの記事で解説しています。

外国人労働者の文化と価値観の違いによるトラブルとは?具体例と対処法を解説。

日本の昇進の遅さ

日本の雇用システムの特徴の一つに「遅い昇進」が挙げられます。

国際的に比較すると、日本の人事慣行は入社後10年、長い場合には15年間にわたって昇進に大きな差が出ない点が目立ちます。

留学生の就職活動と入社後の実態に関する調査結果上記のデータからも読み取れるように、労働時間や残業などの働き方についての不満の次に、「給与報酬が上がらない」「昇進・昇格しない」といった不満の割合が高いです。

これらのデータは、外国人社員自身が目標とするキャリアパスを実現できないことや、働く上で得られるメリットが感じられないことを示しています。

そのため外国人社員が定着しない理由は、日本企業の伝統的な人事管理に対しての不満が原因だと分かります。

【参考文献】「留学生の就職活動と入社後の実態に関する調査結果」パーソル総合研究所×CAMP

給料が安い、残業代が支払われない

労働条件と賃金がバランスを欠いていると、従業員はモチベーションを維持するのが難しくなり、離職のリスクが高まります。

仕事に不満がなく、優れた成果を上げていても、賃金が見合わない場合、転職や離職を検討するのは自然なことです。

賃金に関する不満を解消するためには、採用前に徹底的な話し合いが不可欠です。

給与の公平性と競争力を確保し、従業員が仕事に対する満足度を高めることが、組織の長期的な成功に繋がります。

職場の人間関係に対する不満

外国人社員に対する差別や偏見は絶対に許されず、改善すべき課題です。

外国人という勝手な偏見によるいじめやパワーハラスメントを受け、離職するケースが多く見受けられます。

さらに、日本人社員が気づかずに行う不適切な行動も、外国人社員の離職原因となります。

異なる文化や習慣を持つ社員が共に働くためには、個人として尊重され、外国人という枠組みに縛られない職場環境の構築が必要です。

外国人社員の定着率を上げるために必要な5つの人事施策

では実際に外国人社員の定着率を上げるための取り組みについてみていきましょう。

・定期的な面談を実施する
・評価基準を明確にする
・給料を見直す
・日本語のサポートをする
・労働時間を見直す

定期的な面談を実施する

「上司のマネジメントに対する不満」が離職理由として最も上位に来ていることからも、最初に取り組むべき問題と言えます。

日々の業務や能力、成果をしっかりと把握して定期的な面談を通してフィードバックをします。

また、業務面のマネジメントだけでなく人間関係や会社に対する不満などもこうしたコミュニケーションを通して巻き取りましょう。

というのも、言語や文化が違うだけに外国人社員は社内のコミュニティから孤立することが多々あり、外国人ならではの悩みや人間関係、会社に対する不満などを溜め込んでしまうことがあります。

仕事の話だけでなく、プライベートな話もはさみ、同僚と円滑にコミュニケーションが取れているかや不満がないかをヒアリングしてみましょう。

他にコミュニケーションという観点で、上下の定期的な面談だけでなく、同僚同士のコミュニケーションが取れるような機会の提供を検討してみてもいいかもしれません。

評価基準を明確にする

日本が年功序列的な評価制度が多いのに対して、海外では成果主義をベースにした評価制度が多い傾向にあります。

成果主義は、年齢や学歴、勤務年数などを一切評価せず、評価期間内の仕事の成果のみが評価対象というとてもシンプルな評価制度です。

したがって、外国人社員はどのように働けば評価され、昇進するのかを重要視する傾向にあります。

しかし、日本企業は評価基準が曖昧なことが多く、能力や成果に不相応な評価になっていることも少なくありません。

実際に外国人社員の不満として、「能力や成果に応じた評価がなされない」といった声が多く挙げられています。

評価基準の明確化は外国人社員だけでなく、日本人社員に対してもモチベーションの向上につながるのではないでしょうか。

給料を見直す

外国人だからといって低い給料で雇用しようとすると人材は定着しません。特に、技能実習生や特定技能外国人を不当に低い給料で雇用する事例が問題となっています。

評価基準のところでも記載しましたが、海外は成果主義をベースとした評価制度を採用している企業が多く、外国人労働者も能力や成果に応じて適切な評価が行われているかを重要視しています。

成果や実力に見合った給料を支払うことで、外国人社員は仕事へのモチベーションを高め、より成果を追求してくれるでしょう。

日本語のサポートをする

日本で働く外国人は、ある程度日本語能力を備えてスタートしていることが多いですが、本格的なビジネスの場になると会話や資料の読み取りに時間がかかることがあります。

なので、日本語のサポートは、外国人社員が従事できる仕事の幅を広げるだけでなく、職場におけるコミュニケーションのストレス軽減につながります。

パーソル総合研究所の「留学生の就職活動と入社後の実態に関する定量調査結果報告書」によると、日本語サポートが就業意欲にポジティブな影響を与えることがわかっており、外国人労働者の定着率向上に有効な方法であることが証明されています。

具体的な取り組みとしては、研修によってビジネス用語や専門用語を教えることや、勉強会を開催する、資格の資金的支援、社内資料に外国人社員の母国語を併記するなどが考えられます。

【参考文献】
留学生の就職活動と入社後の実態に関する定量調査結果報告書
パーソル総合研究所 × CAMP

■外国人労働者の日本語教育については下記の記事で詳しく解説しています。

外国人労働者の日本語教育の現状とは?具体的な方法や注意点を解説

労働時間を見直す

パーソルキャリア総合研究所が行った「留学生の就職活動と入社後の実態に関する定量調査結果報告書」の調査によると、留学生の入社後の不満として最も多かったのが「労働時間が長い」ことで、次に「サービス残業が多い」、「休暇がとりにくい」ことが続いています。

長時間労働の強要や、仕事が終わっても帰りにくい雰囲気は日本独特の文化で、多くの外国人材には理解できません。

残業時間を縮めるための業務フローの効率化組織風土の醸成は外国人社員に限らず日本人社員のモチベーション向上につながります。

しかし、どうしても残業をしなければならない場合もあるので、採用面接においてどれだけの残業が見込まれるのかなどあらかじめ認識のすり合わせをしておくといいでしょう。

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まとめ

今回は外国人社員がなかなか定着しない理由や離職を防ぐための方法についてまとめました。
いくつか方法を並べさせていただきましたが、最も大切なことは自社の社風にあった施策を打ち出すことです。
そのために外国人社員を含めた会社のメンバーとしっかり向き合って課題を抽出しましょう。






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