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優秀なインド人エンジニアを採用するには?平均年収や注意点を解説

優秀なインド人エンジニアを 採用するには?平均年収や注意点を解説

今現在、日本は優秀なエンジニア人材が不足しています。優秀な日本人エンジニアを採用しようとしても高いコストがかかってしまい、なかなか採用に踏み切れない企業も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はインド人エンジニアの特徴や注意点、インド人エンジニアを採用すべき企業について詳しく解説していきます。

インド人のエンジニアは本当に優秀なのか

結論からいうと、インド人エンジニアは、インドの中でもトップクラスの大学出身者が多く、能力が高いです。「インドは数字に強い」という言葉は誰もが聞いたことがあると思います。

プログラミングの教育が進んでいる

日本で小学校でのプログラミング教育が開始されたのが2020年であるのに対し、インドでは2005年の段階ですでに開始していました。学んでいるプログラミング言語はC++やpython、Javaが主流です。彼らは初期からプログラミングの学習をしてエンジニアとしてのポテンシャルを高めています。

IT系学部の数も多い

またインドでは、工科系大学が3459校あり、日本の工学部を設置している大学の約300校に比べて圧倒的に多くなっています。
以下のグラフは情報通信技術関連のIT学部のの卒業者数を表しています。国別にみると、第1位はインド(55.0万人)、第2位は米国(14.8万人)、第3位はロシア(9.3万人)となりました。一方で、日本は3.4万人で9位でした。アジアの他の国々では、5位にフィリピン(7.7万人)、6位にミャンマー(4.6万人)、8位にインドネシア(3.9万人)、10位にマレーシア(3.0万人)などがトップ10に入っています。

IT学部の卒業者数
出典:)「92カ国をデータで見るITエンジニアレポートvol.1」ヒューマンリソシア

インドの工科系大学の中で、一番優秀とされているインド工科大学は「世界三大難関大学」といわれており、その入学の難しさは世界でも有数です。インド工科大学に落ちた生徒がアメリカのトップの大学であるマサチューセッツ工科大学に入学するといった事が、往々にあるようです。

もちろんインドには多くの工科大学があるため、そのすべての大学の卒業生が必ず能力が高いと断言することはできません。しかし特にインド工科大学のような、トップクラスの大学出身のエンジニアは能力が高いといっても、間違いはないでしょう。

インドが優秀なエンジニアを輩出する文化的背景

インドが優秀なエンジニアを輩出する文化的背景として、「ジュガード」という考えが根付いているという理由があります。ジュガードとはヒンディー語で「革新的な問題解決の方法」という意味です。具体的には以下の6がジュガードの原則と言われています。

・逆境を利用する
・少ないものでより多くを実現する
・柔軟に考え、迅速に行動する
・シンプルに考える
・末端層を取り込む
・自分の直観に従う

インドが優秀なエンジニアを輩出できる理由として、この教えがあるからだと考えられます。実際にインド人が仕事でまずは行動から始めるといった行為が多いのも事実です。

インド人エンジニアの特徴

ここでは、インドの文化的背景からインド人エンジニアはどの様な特徴があるか5つ紹介していきます。これらの特徴はインドという国の国民性を表しているのかもしれません。

プロモーションに貪欲である

インド人エンジニアはプロモーション(昇給・昇進)に貪欲であるという特徴があります。これは、インド人の徹底した合理主義の考え方があるからです。そのため、日本人の過程を重視する傾向とは違い、結果を重要視する傾向にあります。また、チームワークを重視する日本人とは違い、効率性を重視する個人主義的な考え方を持っている人が多いようです。

ただし、インド人は個人主義とはいえどコミュニケーションが嫌いというわけではありません。仕事上必要なコミュニケーションはしっかりと行うため、トラブルがすり合わせ不足でトラブルが起こったり、対立関係に陥ったりすることは少ないでしょう。

また、プロモーションに貪欲が故に自分ができるかわからないことも「できます」と断言する傾向にあります。

自己主張が強い

インド人エンジニアは自己主張が強いという特徴が挙げられます。これは、インドの競争社会が背景にあると考えられます。周りに埋もれないように、自分の能力を他者にアピールすることを日常的に行います。

例えば、ミーティングの場でも積極的に発言を行い、自分の意見をはっきり主張します。また、自分が理解できないことは徹底的にわかるまで質問を繰り返し、反対に相手が理解できないことは相手が理解するまで説明する傾向にあります。

PDCAサイクルを回すのが早い

インド人エンジニアの特徴としてPDCAサイクルを回すのが早いことも挙げられます。これは、ジュガードの中の「逆境を利用する」「柔軟に考え、迅速に行動する」「自分の直観に従う」という考え方が背景にあるでしょう。

こういった考えから、まず行動して失敗したらすぐに改善するといった場面が多く見られます。それに加え、失敗に対して責任を追求する文化もなくすぐに行動することが第一優先という考え方です。

語学が堪能である

最後に、インド人エンジニアの特徴として語学が堪能であるということが挙げられます。それは、準公用語として10%の人が英語を利用していることに加え、大学を卒業したインド人のうち、90%以上が英語を話します。

つまり、インド人エンジニアの90%以上が英語を話すことができるといっても過言ではないでしょう。

インド人エンジニアを採用する際の注意点

ここでは、インド人エンジニアの特徴を踏まえインド人エンジニアを採用する場合の注意点を紹介します。これらを押さえておくことで、スムーズな採用を目指しましょう。

インド国内でのエンジニアの待遇は手厚いことを考慮する

インド国内でのエンジニアの給料については、一般的な平均年収が日本円相当で約150万円程度です。一方でデータサイエンティストやプロジェクトマネージャーなどの高い技術力を持つ人材の平均年収は約530万円程度と一般的な平均年収に大きな差をつけています。

特にインドでのジエンジニアリクルーティングは競争が激しくなっており、欧米企業だけでなく、大手日本企業でも幅広い分野でインドの人材を採用するケースが増えています。エンジニアへの就職はインドで根強い人気があり、今後もIT人材が増加することは間違いありません。

ですが、開発経験を持つエンジニアとそうでないエンジニアとでは経験と能力に格差が存在しています。エンジニアを採用する際には、企業側でそのエンジニアのスキルをしっかりと確認することが不可欠です。また、日本企業のインド進出が増加傾向にある一方で、IT系企業の進出はまだ多くないため、インド国内で日本語を話すエンジニアを採用するのは課題と言えます。

出典:)「IT人材に関する各国比較調査結果報告書」経済産業省

転職=年収アップの認識がある

インドにおいては、転職時に給与アップが一般的です。日本では転職で給与が下がることもあるが、インドでは逆に20~30%アップすることもあります。
この傾向から、インド人は高報酬の仕事に積極的に転職することが多いです。
したがって、インド人転職者を採用する際には、前職よりも高い年収を求めることがあります。採用プロセスで、自社が提供できる給与の範囲を明確にすることが重要です。

人事評価を適切に行う

インド人エンジニアを採用する場合にまず注意すべき点は人事評価を適切に行うことです。なぜなら特徴で挙げた通りプロモーションに貪欲であるからです。

日本の文化として、プロジェクトをチームでやり遂げると直接人事評価に繋がることはなくとも、ある程度満足感を覚える社員が多いでしょう。インド人エンジニアがそういったやりがいを全く感じないというわけではないですが、日本人よりか目に見える結果を求める傾向にあります。

こうした問題を解決するためには人事側とエンジニア側で採用する前に評価指数をすり合わせ、個人としての評価を数値化するなどの工夫をする必要があるでしょう。インド人エンジニアが自分の働きが「正当に評価されている」と感じられる労働環境を整えることが重要です。

表現のニュアンスに注意する

次の注意点として表現のニュアンスが挙げられます。国も違えば文化も違うので日本人とインド人では表現のニュアンスが全く異なります。

例えば、日本人の場合は自分の力に余るような仕事を「できます」と、引き受けるケースは少ないのに対し、インド人の場合は「できます」と断言することもあります。これは、インド人の自己主張が強いことやサービス精神が旺盛で断るのが申し負けない、という考え方があるからです。

どんな場合においても、約束事は書面にしておくなどの工夫が必要です。

プライベートを大事にしている

日本人とは異なる人生の価値観がインド人には見られます。彼らの重要な価値観はは家族と共に過ごすことであり、そのために努力する姿勢が根付いています。家族のために働くことが基本方針であり、仕事へのモチベーションが高い一方で、些細な家族のイベントでも仕事を簡単に休むことが普通です。これにより、自分の価値を実感できる機会が生まれます。

時間に対する認識を合わせる

一般的にインド人は時間に対してルーズだと言われています。これは、インドの交通インフラが整っていないのが理由です。インドでは交通インフラが日本より遥かに整っておらず、定刻通りに到着できることが少なく、遅刻するのが当たり前の文化です。日本のように、遅刻や遅延を想定して家を早く出るといった考え方もありません。

これは、生まれ育った文化や環境によるもので、そう簡単に変えられるものではありません。企業側も日本人と同じような時間の使い方を強要するのではなく、時間通りに動いてもらうように対応しましょう。

例えば、遅刻しないように乗る電車を指定してあげたり、締め切りに間に合うようにデッドラインから少し余裕を持って指示をしたりする方法があります。

「日本だから日本の文化に合わせるべき」という考え方ではなく、どうしたらインド人エンジニアにとって働きやすい環境を作れるのか、を柔軟に考えるべきです。

■他国の労働者の文化の違いについても知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

外国人労働者の文化と価値観の違いによるトラブルとは?具体例と対処法を解説。

インド人エンジニアを採用する際のメリットデメリット

これまでは、インド人エンジニアの特徴や注意点を紹介してきました。ここでは、特徴や注意点を踏まえ、メリットデメリットをまとめました。

メリット

・会社にイノベーションを起こすことができる
・仕事の幅がグローバルになる

インド人エンジニアは、日本人の気質とは違い自己主張が強く、自己肯定感も高いです。新しい風を社内に取り入れることで、日本人では思いつかないような革新的なアイデアを生み出せる可能性があります。大きなことではなく、仕事の仕方や効率化においても同じことがいえるでしょう。

また、インド人エンジニアは英語を話せる人が約9割といわれています。グローバルな仕事が増えていくなかで、英語を話すことができる人材は必要不可欠でしょう。

■外国人採用のメリットについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
外国人採用が企業に与える利点とは?注意点や採用事例を紹介します!

デメリット

・文化的な背景を考慮する必要がある
・仕事以外の生活的サポートが必要

インド人エンジニアを採用する際は、文化的な背景をまず考慮する必要があります。時間や上下関係、表現、評価など日本人とはかなりギャップがあることは確かです。日本の文化に合わせてもらう、という意識ではなく、お互いが最も仕事をしやすい環境を作るのか、が大事です。インド人エンジニアを採用する際は、制度を整えてから採用するのが良いでしょう。

■外国人労働者の文化・価値観の違いに対する対処法に関しては下記の記事で詳しく解説しています。

外国人労働者の文化と風習の違いから生じる課題とその対処法とは?

インド人エンジニアを積極的に採用すべき企業とは

では、具体的にどんな会社がインド人エンジニアを積極的に採用すべきなのでしょうか。以下の二つのどちらかに当てはまる企業は、インド人エンジニアの採用をおすすめします。

・イノベーションがほしい企業
・質とコストを両立したい企業

それぞれ詳しく解説していきます。

イノベーションが欲しい企業

「革新的なイノベーションが欲しい!」そう思ったらインド人エンジニアの採用を検討してみましょう。

インドはアメリカに次いで、中国やイギリス、イスラエルと並んでスタートアップ先進国です。これはもともと、インド人に起業家マインドが強いためとも言えます。起業家マインドの強いインド人は、時に革新的なアイディアを生み出します。

日本において革新的なアイディアを生み出せないということはありませんが、日本とは文化も宗教も違うインド人は日本人には思いつきもしない革新的なアイディアを生み出せる可能性があります。

「今のままでは何も生まれない…」と行き詰った状態にある企業において新しい風を入れるという意味では、技術力が高く柔軟な発想を持つインド人エンジニアを迎え入れるのは有効かもしれません。

■ダイバーシティのある組織を作りたいと考えている方は下記の記事を参考にしてください。

ダイバーシティな組織を作るための取り組みとは?メリットデメリットを解説します

質とコストを両立したい企業

質とコストを両立したい企業はインド人エンジニアを積極的に採用すべきです。これまで解説した通り、インド人エンジニアは優秀な大学を卒業した人であれば、かなり高い質が担保されます。コストについても、インド人エンジニアは日本人とあまり変わらない水準で雇用が可能です。

日本ではエンジニアが圧倒的に不足しているため、日本人の優秀なエンジニアを採用する場合は年俸を1.5〜2倍程度、高く設定する必要があります。しかし、インド人エンジニアの場合、1〜1.3倍程度で同じような人材を採用することができるのです。

優秀なエンジニアが欲しいが、それほど高いコストをかけられないという企業は、インド人エンジニアの採用を検討することをおすすめします。

インド人エンジニアを採用する手順

ここまでで、インド人エンジニアについて詳しく述べてきました。ではここからは、実際に彼らを採用する方法についていくつか解説していきます。

外国人エンジニア採用サービスを使う

グローバル人材紹介会社を活用するのは確実で安全な採用方法です。こういった人材紹介会社を通すことで、優秀なインド人エンジニアを採用することができます。既に日本語検定や在留資格を持つインド人が多く登録しており、信頼性が高まります。

これは、会社自体がエンジニアのスキルや経歴を厳格に審査し、求める要件に適う人材を提供してくれるからです。また、これらの紹介会社はエンジニアのバックグラウンドやスキルセットについて詳細な情報を提供してくれることが多く、採用する際に適切な選定が行えるようサポートしてくれます。

■外国人人材紹介サービスについて知りたい方はこちらをご覧ください!

外国人人材紹介サービスの特徴とは・おすすめ8社の料金、報酬形態を徹底比較

求人サイトを使う

国内の大手求人サイトで求人を出すことも可能です。手軽さが魅力ですが、応募者の選定が難しく、面接や審査に時間をかける必要があります。

この方法では、採用プロセスをしっかりと構築することが重要になってきます。求人掲載後、どのような人材が応募してくるかを見極めるために、面接や書類審査の段階で細心の注意を払いましょう。

現地での採用活動を使う

また、直接インドに赴いて優秀なエンジニアを探す手段も存在します。しかし、インドの工科大学は一般的な企業の採用とは異なる、独自のドラフトのような採用システムを採用しているので、採用の難易度は高いと言えます。

■海外での現地採用が気になる方は下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

現地採用とは?海外駐在との違いやメリット、採用のプロセスまで徹底解説

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まとめ

シリコンバレーの約2割がインド人エンジニアと言われているように、世界からもインド人エンジニアの技術が注目されています。もちろん日本の文化や住みやすさに惹かれ、日本に興味を持つインド人エンジニアも増えてきています。

インド人エンジニアを採用する際は、まず「インド人エンジニアが必要かどうか」、つぎに「採用できる制度が整っているか」を慎重に検討する必要があります。






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