技能実習

ミャンマー人技能実習生を受け入れる具体的な流れや、人気な理由を紹介!

技能実習生を受け入れるに当たって、どの国の技能実習生がいいのか疑問に思った企業の採用担当の方は多いのではないでしょうか。そんな方のために今回は、近年受け入れ人数が急増している国、ミャンマーの技能実習生にフォーカスして、

・ミャンマー人の特徴
・ミャンマー人が人気な理由
・具体的なミャンマー人技能実習生の採用の流れ

などを紹介していきます!

技能実習制度とは

技能実習とは、中国、フィリピンなどの開発途上地域出身の外国人に日本の技術を教え、彼らが自国の発展に寄与することによって、国際貢献することが目的の受け入れ制度です。

技能実習制度のメリット

この制度によって得られるメリットは主に2つあります。

・母国への技能移転
・日本企業の人手不足解消

これらについて解説していきます。

母国への技能移転

技能実習は、実習生が母国に技術を持ち帰ることによって、母国への技能移転をすることが目的です。しかし、あまりに日本での滞在期間が長いと、本来の目的である、「母国への技能移転」の実現をすることができません。よって、日本に在留出来る期間は最長でも5年と定められていました。

日本企業の人手不足解消

また、この制度によって日本の企業も人手不足を解消できるというメリットもあります。
出入国在留管理庁によると、技能実習生は2022年6月末時点で約33万人もの技能実習生が日本で働いています。
出典:【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】 | 出入国在留管理庁

技能実習制度の注意点

技能実習制度のメリットを2点紹介しましたが、注意が必要なことがあります。
それは、「技能実習は実習生が母国に技術を持ち帰ることによって、母国への技能移転をすること」が目的であり、日本企業の労働力確保というメリットは副産物でしかないのです。つまり、実習生を「労働力」として長時間労働、低賃金で雇用することはあってはなりません。外国人であっても最低賃金以上の賃金を支払う必要があります。また技能実習生であっても関係なく、必ず事業者は最低賃金法以上の給与を支払わなくてはなりません。

ミャンマー人技能実習生の現状とは

ミャンマー人の労働者と聞くと、あまりピンと来る人はそこまで多くはないのではないしょうか。イメージが湧きにくい人のために、ミャンマー人の技能実習生について、具体的なデータとともに紹介します。

技能実習生の受け入れ人数第8位

法務省の公開したデータによると、令和5年6月末におけるミャンマー人の技能実習生は20940人であり、国籍別で第5位となっています。1位であるベトナムは約19万人であり、まだ差はありますが、20940人という人数は、ミャンマーの対前年増減率をみると22.9%増加とあり、ミャンマー人の技能実習生が急激に増加していることが見て取れます。

出典:【第1表】 国籍・地域別 在留外国人数の推移

ミャンマーは労働力大国

2019年に行われた調査によると、推定5114万人の人口のうち、生産年齢人口は3650万人程で、割合としては71%です。
生産年齢人口とは、15歳〜64歳までの国民を指します。
日本は人口が2020年時点で1億2000万人、生産年齢人口は7400万人で割合は61%程であり、アメリカは人口が3億3000万人で、生産年齢人口は2億1464万人で割合は63%程であるため、ミャンマーの生産年齢人口の割合が非常に高いことが分かるかと思います。
この世代の人口が多いほど、これからの国の労働力を担う人の数が多いということなので、この先も日本に来る技能実習生が増えていくことが期待されます。

ミャンマーとはどんな国?

では、労働力大国であるミャンマーとはどのような国なのでしょうか。

・場所
・人口
・言語

これら三項目に分けて解説します。
出典:ミャンマー基礎データ|外務省

場所

ミャンマーは東南アジアにある国で、年間を通じて夏のような気温が続くことが特徴です。
日本からは、直行便の飛行機で約6〜8時間ほどの場所に位置しています。技能実習生の多いアジアの他国と比較すると、やや時間をかけて日本に来る必要がある地理だということができます。

人口

外務省のデータによると、2019年時点で5114万人となっています。
先ほど紹介した通り若年層がかなり多い国であるため、労働力大国として現在注目されています。

言語

公用語はミャンマー語です。ミャンマーには多数の民族があり、独自の言語を使用していますが、国内で共通してミャンマー語が用いられています。
外国人が日本に来る際に気になる、英語・日本語能力についてですが、日本語能力については後ほど解説します。英語についてですが、英語は都心部に住んでいる人なら通じるようです。ミャンマー語が話せない少数民族同士では英語を使うという状況もあるようです。

ミャンマー人の特徴とは

次は、ミャンマー人の特徴を

・穏やか
・親日
・目上の人を敬う性格

これら三点に分けて、解説していきます。

穏やか

ミャンマー人の多くは仏教徒であり、輪廻転生を信じています。輪廻転生から逃れるためには功徳を積む必要があるため、怒りを表すことは少なく、温厚で穏やかな人が多いと言われています。

親日

日本がミャンマーの独立に大きく貢献したという歴史上、ミャンマーは親日国であると言われています。また、日本が毎年ODA(政府開発援助)を行っているという点も、親日国の理由の一つです。

目上の人を敬う

ミャンマー人は、家庭内で両親の意向が重要視されるなど、親や年上の人を敬う傾向が強いと言われています。アジア的な家族優先の価値観が残っている国の一つです。

ミャンマー人はなぜ日本企業から人気が高いのか

ミャンマー人は、既に日本企業から高い評価をうけ、採用を決定している会社も増えてきています。この理由を、

・高い日本語能力
・日本人との感覚の近さ

この2点に分けて解説していきます。

高い日本語能力

ミャンマー語は日本語と文法が似ていると言われています。また、経済的な理由から日本へ来る人も多いため、日本でお金を稼ぐということに一生懸命な人が多く、そのため日本語習得に努力できるという点もミャンマー人の日本語能力の高さの一因でしょう。

日本人の感覚との近さ

先ほど紹介したミャンマー人の特徴でも述べましたが、ミャンマー人は穏やかであり素直な性格です。これらの特徴は、一般的に日本人の特徴として語られるものと非常に近いものがあります。また、自己主張という側面から見ても、アメリカ人やヨーロッパ人と比べると少ないため、日本人との親和性の高さが伺えます。

ミャンマー人を採用するときの注意点とは

ここまでの内容をみてミャンマー人の採用に魅力を感じた方も多いのではないでしょうか。しかし、ミャンマー人を採用するに当たって注意しなければならない点もいくつか存在します。

・人前で叱責しない
・コミュニティから疎外しない
・文化の違い

これら3点について、解説していきます。

人前で叱責しない

まず、ミャンマー人はしかられることに慣れていません。そのうえ人前で怒られてしまうと、本人のやる気やモチベーションを削いでしまう可能性があります。注意や指導は業務をするにあたってよくあることですが、個別で行うことを心がけましょう。

コミュニティから疎外しない

ミャンマー人は家族や周囲との関係性を重要視します。
そのため、周りに自分の信頼する人や気の置けない仲間がいないと、本人のモチベーション低下につながります。外国人採用をするうえで積極的なコミュニケーションを図ることは欠かせませんが、ミャンマー人に対しては特にコミュニケーションを大事にし、コミュニティに対し疎外感を感じさせないようにしましょう。

文化の違い

ミャンマー人は、仏教を重んじるため、善行を当たり前に行うという特徴があります。一見するといいことのように思えますが、ミャンマー人は互いに善行することを当たり前だととらえているため、あまりお礼を言う習慣がありません。これを知らずにミャンマー人と接していると、日本人が不愉快になる恐れがあります。この事態を避けるために、事前にミャンマーの文化を従業員に周知しておく必要があると言えるでしょう。

ミャンマー人技能実習生を採用する流れ

それでは、実際にミャンマー人技能実習生を採用するにはどのような流れで行う必要があるのでしょうか。具体的な流れを見ていきましょう。

1,要望書をミャンマーの送り出し機関に提出
2,監理団体に入会する
3,面接
4,契約の締結
5,スマートカードの発給申請
6,在留資格認定証明、ビザ・スマートカード発行
7,入国
8,監理団体の下で研修
9,受け入れ企業へ配属

送り出し機関とは

送り出し機関は、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則」の第23条2項において、「団体監理型技能実習生になろうとする者からの団体監理型技能実習に係る求職の申込みを適切に本邦の監理団体に取り次ぐことができる者として主務省令で定める要件に適合するもの」と定義されています。
以前は、技能実習の準備に関与する外国の機関をすべて送り出し機関としていましたが、定義が変わってからは、技能実習の準備に関与する現地機関の中でも、監理団体に求職の申込みを取り次ぐ機関に限定して送り出し機関としています。
下記の図表も参考にしてください。

引用元:新たな外国人技能実習制度についてー厚生労働省

スマートカードとは

ミャンマー人を採用するうえで重要なのが、スマートカードです。スマートカードとは、海外労働身分証明カード(OWIC)とも言われており、ミャンマー人が海外で働く際に必要となるカードを指します。
カードの発行には、数週間程度の時間を要するため、採用時期が決定している場合は余裕を持って発行手続きを行うようにしましょう。

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まとめ

いかがでしたか?今回の記事ではミャンマー人技能実習生の採用についてのポイントや具体的な流れを紹介してきました。
ミャンマー人には日本人との親和性があるため、受け入れ人数が年々増加してきています。
また、若者がとても多い新興国であるため、この先も受け入れ人数が増加していくことは間違いないと言えるでしょう。
この流れに乗りたい方は、ぜひこの記事を参考にして、ミャンマー人技能実習生の採用を検討してみてください。

また、技能実習生にかかる費用はこちらの記事で詳しく紹介しているため、ぜひご覧ください。
技能実習生の採用にかかる費用はどのくらい?自社の費用負担額を項目ごとに解説






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