現在、日本では深刻なエンジニア不足に陥っています。2030年にはIT人材の不足が最大79万人に上るといわれています。そこで、日本企業では海外の人材に目を向け始めています。しかし、具体的にどの国のエンジニアが良いか、どのように採用すべきか、が分からない企業も多いと思います。そこで今回はミャンマーのエンジニアについてまとめ、具体的なサービスも紹介します。
ミャンマー人エンジニアが日本で増えている理由
日本で働くミャンマー人エンジニアが増えている理由は主に以下の2つです。
・日本におけるエンジニアが不足しているから
・日本語学習者が多い
・ミャンマー国内でエンジニアの職に就くのが難しいから
それぞれ詳しく解説していきます。
日本におけるエンジニアが不足しているから
ミャンマー人エンジニアが採用されている背景には、日本におけるエンジニアが不足している現状があります。経済産業省の調査によると、2030年にはIT人材の不足が最大で79万人に上るとの試算がでています。特に、ネットワークエンジニアやクラウドエンジニアといったインフラ関連、AI関連やスマートフォン関連での人材不足が懸念されています。エンジニア不足は、日本の少子化が原因であるとも言えるでしょう。そこで海外人材に目を向ける人が多く、ミャンマー人エンジニアの需要が高まっているのです。
日本語学習者が多い
2つ目の理由は日本語学習者が多いからです。以下の表は文化庁が行った「文化庁令和3年度国内の日本語教育」をもとに作成しました。それぞれの国における日本語学習者の人口における割合を示しています。
順位 | 国・地域名 |
1 | ベトナム |
2 | ネパール |
3 | 韓国 |
4 | フィリピン |
5 | 中国 |
6 | タイ |
7 | ミャンマー |
人口に対する日本語学習者の割合は世界7位と、とても上位に来ていることが分かります。日本語学習者が多いことも、日本で働くミャンマー人エンジニアが多い理由だと考えられるでしょう。
ミャンマー国内でエンジニアの職に就くのが難しいから
またミャンマー国内でエンジニアの職に就くのが難しいことも、日本においてミャンマー人エンジニアが採用されている理由の1つと言えるでしょう。ミャンマーは、市場経済を解放してからまだ年数が浅いです。国内産業が十分に発達しておらず、全体の就職率は50%以下とも言われています。優秀な学生や、選考の機会すら得られない学生も多数存在しています。ミャンマーにおける就職難の問題を解決し、日本におけるエンジニア不足を解消するため、日本でミャンマー人エンジニアが採用されることは双方にメリットがあるのです。
ミャンマー人エンジニアの特徴
ミャンマー人エンジニアの特徴は以下の3つです。
・年功序列を重んじる
・叱責に慣れていない
・自己主張が少ない
それぞれ詳しく解説していきます。
年功序列を重んじる
ミャンマーでは人口の85%以上が仏教を信仰しており、親や目上の人を敬う文化が浸透しています。そのため、ミャンマー人は日本企業の独特な年功序列制度に理解を示すことが多いです。また、秩序を重んじる姿勢が強いと言われており、組織内でのルールや上司の指示をしっかりと守る傾向にあります。日本人にとってミャンマー人は一緒に働きやすく、チーム内でも信頼できることでしょう。
これは、外国人エンジニアとしては珍しく、日本の文化に合う数少ない国の1つといえます。
叱責に慣れていない
ミャンマー人は、叱責に慣れていない人が多いです。多くの仏教徒が敬う気持ちが強いので、生活の隅々にまで仏教の教えが浸透しています。仏教では親を大切にし、目上の人に対して従順であるので、家族の中でさえ親の言ったことに反抗する人はほとんどいません。そのため、ミャンマー国内において家庭や社会で叱られることが滅多にないのです。怒られることに対して免疫がほとんどないと言っても過言ではないでしょう。仕事上で厳しく注意されると、自尊心が傷つく可能性があります。ミャンマー人を指導する際には、十分注意しましょう。
自己主張が少ない
ミャンマー人は仏教の教えを忠実に守るために、目上の人に対して反抗することがなく、そのため自分の感情や意見を伝えることがあまりありません。ストレスやネガティブな発言を口に出さないため、知らぬ間に負担や不満が溜まってしまうことがあります。ミャンマー人を採用した際には、1on1を実施するなどして、コミュニケーションの機会を増やすことが重要です。また、直属の上司にはネガティブな発言をしないこともあるので、違う部署の人にも相談できる仕組みや機会を作るようにしましょう。
またミャンマー人は、遠慮しがちで嫌なことが分かりにくいところも特徴の1つです。保守的な考えを持つミャンマー人が多いため、今までやったことのないことにチャレンジしようとする精神に疎く、遠慮しがちなので嫌な事が分かりにくいです。苦手な仕事でさえも引き受けてしまうことがあるので、多くの仕事を頼んで、負担をかけるようなことはしない方が良いでしょう。
ミャンマー人エンジニアを採用するときの注意点
ミャンマー人エンジニアを採用するときの注意点は以下の2つです。
・内定を出すスピードを速くする
・雇用条件を日本人と同等にする
それぞれ詳しく解説していきます。
内定を出すスピードを速くする
ミャンマー拠点の日本企業や、日本国内の企業の大多数は内定を出すための最終決議に本社の稟議が必要となることが当たり前です。企業規模が大きいほど、面接から内定の稟議がおりるまで時間がかかる傾向にあります。
しかし、ミャンマーの企業、または外資系企業のケースでは、面接を行ったその日に内定が出ることが多く、面接の1~2週間後には企業で働き始めることも当たり前です。ミャンマー人エンジニアたちは短期間の就職活動に慣れています。ミャンマー人エンジニアを採用する際は、内定を出すスピードを速めなければ、他者の引き抜きに合ってしまう可能性が出てきてしまうので注意しましょう。
雇用条件を日本人と同等にする
ミャンマー人エンジニアを雇用する際は日本人と同じ雇用条件にしなければいけません。日本人エンジニアと比べあまりにも賃金が安いなど、雇用条件に歴然とした差がついていると、ミャンマー人エンジニアが不満を抱いてしまうのは当然です。
その結果、優秀な人材が離職してしまうことにつながります。日本の労働基準法では、日本国内で働く人材に対し、国籍を問わず、労働基準法で定められているルールが適用されます。すなわち、外国人であることを理由に、雇用条件において福利厚生など、差別をすることは法律で禁止されているのです。
倫理観の側面と、法律的側面からミャンマー人エンジニアであっても日本人と同等の雇用条件にすることが求められます。
ミャンマー人エンジニアを採用するメリット・デメリット
ここでは、ミャンマー人エンジニアを採用するメリット・デメリットを解説します。
メリット
ミャンマー人エンジニアを採用するメリットは、語学力・モチベーションが高いことです。
旧英国植民地であったことから、英語に強いミャンマー人が多いと言えます。グローバルなプロジェクトで、英語が話せるエンジニアが必要である際に、強い味方となるでしょう。またインターネットを通じて日本の文化が浸透しており、今後さらにミャンマーで日本語の学習者が増えるのは間違いないといえます。外国語を学ぶことが収入を上げることに繋がるという考えが根付いており、言語学習に意欲があるミャンマー人エンジニアは多いです。
ミャンマー人エンジニアは、技術など、学ぶことに対してのモチベーションが高いです。それは、「日本の高度な技術を学びたい」「自分の国を発展させたい」という強い思いがあるからです。このような強い思いを持ち、日本の会社に就職したミャンマー人エンジニアは、モチベーションが高く会社の発展に貢献するでしょう。モチベーションの高さは、日本語の習得や技術の習得をより早く行うことにも繋がっています。また、真面目で素直なので仕事に対する姿勢もとても良いです。
デメリット
ミャンマー人エンジニアを採用するデメリットは良くも悪くも、日本人と性格が似ている点です。
ミャンマー人は年功序列を重んじ、自己主張が少ないことを前述しました。これは日本人と非常に似ており、日本の企業に馴染みやすいといえるでしょう。しかし、裏を返せばイノベーションが欲しい企業には向いていません。自社に何が必要か検討したのち、採用に踏み切りましょう。
ミャンマー人エンジニアを積極採用すべき企業
ミャンマー人エンジニアを積極採用すべき企業の特徴は以下の2つです。
・質とコストを両立したい企業
・ グローバル進出を考えている企業
それぞれ詳しく解説していきます。
質とコストを両立したい企業
質とコストを両立したい企業はミャンマー人エンジニアを積極的に採用すべきです。これまで解説した通り、ミャンマー人エンジニアは優秀な大学を卒業した人であれば、かなり高い質が担保されます。コストについても、ミャンマー人エンジニアは日本人とあまり変わらない水準で雇用が可能です。
日本ではエンジニアが圧倒的に不足しているため、日本人の優秀なエンジニアを採用する場合は年俸を1.5〜2倍程度、高く設定する必要があります。しかし、ミャンマー人エンジニアの場合、1〜1.3倍程度で同じような人材を採用することができるのです。
優秀なエンジニアが欲しいが、それほど高いコストをかけられないという企業は、ミャンマー人エンジニアの採用を検討することをおすすめします。
グローバル進出を考えている企業
次に、ミャンマー人エンジニアを積極的に採用すべき企業の特徴としてグローバル進出を考えている企業が挙げられます。
グローバル進出を考え、社内で英語研修を行ったとしてもどうしても実践レベルまで引き上げるのは難しいです。また、日本人エンジニア同士だと共通言語の日本語で会話をしてしまうので、実務で使うタイミングは少ないといえます。
ミャンマー人エンジニアを採用することによって、ミャンマーの共用語であるミャンマー語や日本語で意思疎通するより英語の方がコミュニケーションを取りやすいでしょう。半強制的に英語で仕事を行わざるを得なくなり、社内の英語レベルが効率的かつ迅速に上がる可能性が考えられます。
ミャンマー人エンジニアを採用する方法
ミャンマー人エンジニアを採用する方法は大きく分けて2つあります。
・ヘッドハンティング
・人材紹介サービスを利用する
それぞれ詳しく解説していきます。
ヘッドハンティング
1つ目はヘッドハンティングです。知り合いの紹介やSNSを通じて企業側がエンジニアに直接アプローチする方法です。これは、エンジニアに直接アプローチできるという面では有効な方法ですが、知り合いの人脈やタイミングなど不確定要素を多く含んでいます。
人材紹介サービスを利用する
2つめの方法は人材紹介サービスを利用するという方法です。もちろん、ヘッドハンティングよりコストはかかりますが、確実に優秀なミャンマー人エンジニアを採用することができます。なぜなら人材紹介企業の多くは成果報酬型を採用しており、1名あたり〇〇万円、という様に決まっているからです。
おすすめの外国人紹介サービスは下記の記事で詳しく解説しています。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はミャンマー人エンジニアの特徴や積極採用すべき企業などを紹介してきました。まだ、ミャンマー人エンジニアを採用検討中の企業は是非WILLTECのサービスをご利用ください。