外国人採用をしようと考えている方にとっては、ハローワークについて知っておく必要があります。例えば、採用のためにハローワークに求人を出す場合。出さなくても、ハローワークへの届け出は義務化されています。円滑な外国人採用のためにもハローワークについて知っておきましょう。
外国人採用とハローワーク
外国人雇用サービスコーナー等を利用した外国人求職者の就職件数は約1.1万人です。
ハローワークは、本所・出張所・分室のほか、特定の対象者に対する専門的な支援等を実施する、いわゆる「附属施設」を設置しています。その中の一つが「外国人雇用サービスセンター」で、全国に4施設あります。その他にも、留学生コーナーが21拠点、外国人雇用サービスコーナーが135拠点あります。
■ 外国人雇用サービスセンター
対象者 – 高度外国人材(就労目的の在留資格の外国人、日本での就職を希望する外国人留学生) に対する就職支援
設置数 – 4か所(東京、名古屋、大阪、福岡)
支援内容 – 高度外国人材の就業を促進するための中核的施設として、ハローワークの全国ネットワークを 活用し、専門的かつきめ細やかな就職支援を行う
■ 留学生コーナー
対象者 – 日本での就職を希望する外国人留学生
設置数 – 21か所(一部の新卒応援ハローワークに設置)
支援内容 – 外国人雇用サービスセンターと連携し、きめ細やかな就職支援を実施
■ 外国人雇用サービスコーナー
対象者 – 日系人等の身分に基づく在留資格の外国人を中心とした外国人労働者全般
設置数 – 135か所(通訳員を配置しているハローワーク)
支援内容 – 地域の特性に応じた言語の通訳員を配置し、専門相談員による就職支援を実施
参考)「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」 厚生労働省 職業安定局
ハローワークを用いて外国人採用を行う方法
ハローワークを利用して募集・採用選考を行う場合は、事業所登録・求人申込み手続きを行う必要があります。これは、外国人採用の場合も同じです。
詳しいフローはこちらのサイトをご覧ください。
「求人申込み手続きの流れ」 ハローワーク インターネットサービス
求人票の記入方法
求職者に対して、従事すべき業務内容、賃金、労働時間、その他の労働条件を明示することは、職業安定法第5条の3により義務付けられています。労働条件などの明示は、労働者が職場に適応してその能力を有効に発揮するためにも、就職後のトラブルを避ける上からも重要です。
参考)「求人票の書き方のポイント」 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク
外国人採用でハローワークを用いるメリット
外国人採用でハローワークを用いるメリットを解説します。
コストがかからない
まず、第一のメリットはコストがかからない点です。入社後や成功報酬などの費用も一切かかりません。これは、公的機関が運営するサービスのためです。一般的な求人サイトを用いた場合はそれなりに料金がかかると考えるととても大きなメリットです。
地域の外国人を採用できる
基本的に、ハローワークは事業所の地域の施設への求人掲載になります。これは、メリットにもデメリットにもなりえますが、ひとまずメリットとしては、その地域に特化した求人を出せるという点です。例えば、近くに外国人留学生を多く受け入れている大学があれば、ハローワークを利用することで、見知った地域での就職を望んでいる留学生を採用しやすくなります。
外国人採用でハローワークを用いるデメリット
一方で、ハローワークにもデメリットはあります。現に、日本にいる外国人労者1,822,725人のうち、約1万人しかハローワークを用いていないということで、それほど多いとは感じられないかもしれません。
イメージの悪さ
ハローワークは無料というメリットから、採用に費用をかけたくない企業の掲載が多くあります。採用に費用をかけられないということは、それほどブラック企業なのではないかと躊躇する人が多いのも事実です。
掲載できる情報が限られている
ハローワークは、一般的な求人サイトに比べて掲載できる情報が限られています。そのため、内情を把握してもらいにくい点や、外国人求職者へのアピールがしにくい点がデメリッ
トです。
他社との差別化がしにくい
これは、無料であるメリットの弊害といえるでしょう。公的機関が運営する求人掲載サービスのため、掲載企業は基本的にすべて横並びです。費用を多く出して多くの優秀な求職者にアピールできる一般求人掲載サイトよりも、望む人材を確保できない可能性があります。
地域によっては採用しにくい
地域に特化しているということは、先ほども述べたようにデメリットにもなりえます。例えば、人口が少ない地域では採用しにくいでしょう。この点は、学校が多くある地域、国際色豊かな地域との格差があります。
外国人人材紹介サービスについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
外国人人材紹介サービスおすすめ8選徹底比較!料金相場、メリットなどご紹介
外国人雇用状況の届出とは
外国人雇用状況の届出とは、外国人労働者を雇用する企業が、外国人の雇入れ・離職時に、厚生労働大臣に届け出る書類のことです。法律により、外国人雇用状況届出の提出は外国人を採用しているすべての企業に義務付けられています。
ハローワークでは、外国人雇用状況の届出に基づき、雇用環境の改善に向けて、事業主への助言や指導、離職した外国人への再就職支援を行います。
義務の対象
・外国人正社員
・外国人派遣社員
・外国人アルバイト
在留資格「特別永住者」「外交」「公用」の外国人についてはこの届出義務の対象ではありません。
就労ビザ(在留資格)について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
外国人労働者の種類とは?在留資格やビザの分類、技能実習生との違いを解説
提出方法
外国人雇用状況の届出の提出方法について解説します。
ハローワークに提出
外国人労働者が雇用保険の被保険者に該当する場合は、雇用保険の適用を受けている事業所を管轄するハローワークに届け出ます。外国人労働者が雇用保険の被保険者に該当しない場合は、その外国人労働者が勤務する事業所や施設などの住所を管轄するハローワークに届け出ます。
オンラインで提出
外国人労働者が雇用保険の被保険者の場合は「e-Gov」から、雇用保険の被保険者でない場合は「外国人雇用状況届出システム」からオンラインで提出できます。
ただし、過去に一度でも外国人雇用状況届出をハローワークに提出している場合は、オンラインで新規ユーザー登録をすることができません。オンラインでの届出を希望する場合は、過去に提出したハローワークに問い合わせることで、オンラインでの提出に切り替えてもらうことができます。
提出期限
雇用保険被保険者となる外国人の届出:雇入れの場合は翌月10日までに、離職の場合は翌日から起算して10日以内
雇用保険被保険者とならない外国人の届出:雇入れ、離職の場合ともに翌月末日まで
外国人雇用状況の届出に関する注意点
外国人雇用状況の届出に関する注意点について解説します。
提出しなかった場合の罰則
外国人雇用状況の届出は法律で定められているため、提出しないと、指導・勧告の対象になるとともに30万円以下の罰金の対象となります。
届け出方法の違い
雇用保険の加入有無で届け出方法に違いがあります。
雇用保険の被保険者である外国人の場合
■雇用保険の被保険者資格の取得届又は喪失届の備考欄に、在留資格、在留期限、国籍等を 記載して届け出
■提出期限:取得届又は喪失届の提出期限と同様(雇入れの場合は翌月10日まで、離職の場合は翌日から起算して10日以内)
雇用保険の被保険者ではない外国人の場合
■届出様式(ハローワークの窓口で配布しているほか、ホームページでダウンロードも可能)に、氏名、在留資格、在留期限、生年月日、性別、国籍等を記載して届け出
■提出期限:雇入れ、離職の場合ともに翌月末日まで
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まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、外国人採用におけるハローワークの立ち位置を解説しました。まずは、企業が外国人採用を行う際の求人掲載方法。次はハローワークを利用していなくても必要になる届け出義務についてです。
公的機関が運営する求人掲載サービスにはメリットもデメリットも存在します。ぜひこの記事を参考に自社に合った方法で外国人採用を進めてみてください。