特定技能

特定技能外国人は永住権を取得できる?取得の条件、手続き、メリットとは?

特定技能外国人は永住権を取得できる?取得の条件、手続き、メリットとは?

企業の採用担当の方の中では、特定技能外国人の雇用・受け入れを検討する方も少なくないのではないでしょうか。
一方で、

・永住権を申請するために、どのくらいの期間日本で生活しなければならないの?
・現在の収入や貯蓄が永住権申請に十分かどうか
・特定技能ビザから永住権への切り替えに必要な条件は何か?

など、さまざまな疑問や悩みを抱くと思います。

この記事では特定技能外国人の永住権について、

まで、企業目線で幅広くご紹介します!

そもそも永住権とは?

永住権は、国籍を変えずに日本に長く住み続けることを認める在留資格です。そのため、永住権を取得する外国人はあくまで外国人として日本に滞在し、国籍の変更は行いません

永住権の概要

永住権は、日本国内で無期限に滞在できる資格です。永住権を取得するとビザの更新が不要になり、職業や住居の選択が自由になります。具体的には、永住権には以下のような4つの特徴があります。

・無期限の在留
・就労の自由
・家族の帯同
・社会保障と権利

以下でそれぞれについて詳しく解説します。

無期限の在留

永住権を取得すると、日本国内での滞在が無期限となり、一般的な在留資格のように更新の必要がありません。これにより、長期的な生活設計やキャリアプランが立てやすくなります。

就労の自由

永住者は、特定の職業や業種に限定されることなく、日本国内で自由に就労することができます。これにより、転職や起業なども柔軟に行えるようになります。

家族の帯同

永住権を持つ外国人は、その配偶者や子どもも永住権を取得することが容易になります。家族全員での日本での長期的な生活が可能になります。

社会保障と権利

永住権を取得すると、日本人と同様に社会保障制度(年金、健康保険など)に加入することができ、教育や福祉の分野でもほぼ同等の権利を享受することができます。

特定技能1,2号について

以下で特定技能1,2号について解説します。

特定技能1号

特定技能1号は、日本の労働市場で人材が不足している14の特定産業分野において、即戦力となる外国人労働者を対象としています。在留期間は最大で5年ですが、家族の帯同は認められていません。また、1号特定技能外国人はその他の条件である日本社会における利益を生まなければならないという永住権申請の要件を満たせません。そのため、特定技能ビザから永住許可の取得を目指す場合、まずは特定技能2号への移行が必要となります。

特定技能2号

特定技能2号は、特定技能1号での経験を基に高度な技能を有する外国人労働者を対象としています。このビザは無期限であり、家族の帯同も可能です。さらに、特定技能2号保持者は、一定の条件を満たすことで永住権の申請が可能です 。

永住権取得のメリット・デメリット

永住権取得には以下のようなメリット、デメリットがあります。
特定技能外国人が知っておくべき永住権取得の条件と手続き 1
次に、これらの点について詳述します。

メリット

永住権を取得すると以下4つのようなメリットがあります。

・滞在の安定性
・仕事の自由度
・社会的信用度の向上
・家族の永住権取得が容易

滞在の安定性

永住権を持つことで、日本に無期限に滞在できるようになります。ビザの更新手続きが不要になり、退去のリスクがなくなります。

仕事の自由度

永住者は、日本での就労においてほとんど制約がなくなります。特定の職種や雇用主に縛られることなく、自由に仕事を選ぶことができます。

社会的信用度の向上

永住権を持つことで、社会的な信用度が高まります。これにより、住宅ローンの取得が容易になり、それだけでなく賃貸契約や携帯電話の契約、クレジットカードの取得がスムーズになることもあります。

家族の永住権取得が容易

配偶者や子どもがいる場合、永住権を持つことで家族も永住権を取得しやすくなります

デメリット

永住権を取得すると以下3つのようなデメリットがあります。

・手続きが複雑である
・他国での滞在期間の制限
・日本国籍取得の際の制限

手続きが複雑である

永住権の申請は非常に厳しい審査があり、多くの書類や情報を提出する必要があります。また、審査には長い時間がかかることがあり、申請が通らない可能性もあります。

他国での滞在期間の制限

永住権を保持するためには、日本に一定の期間(通常は1年以内)居住する必要があります。長期間日本を離れると、永住権を失うリスクがあります

日本国籍取得の際の制限

永住権を持っていると、日本国籍の取得が容易になることがありますが、日本国籍を取得する際には元の国籍を放棄する必要がある場合があります。このため、二重国籍が許されないこともデメリットとなることがあります。

永住権取得のためにかかる期間

以下で永住権獲得のためにかかる期間を解説します。

必要な滞在期間

以下に3通りに場合分けして必要な滞在期間を説明します。

・通常の在留資格保持者である場合
・高度専門職保持者である場合
・日本人配偶者がいる場合

通常の在留資格保持者である場合

日本で10年以上継続して滞在していることが基本条件です。この間、就労ビザや留学ビザなどで在留している必要があります。

高度専門職保持者である場合

高度専門職ビザを持つ場合、ポイント制で70点以上を獲得していれば、3年間の滞在で永住権の申請が可能です。また、80点以上であれば1年の滞在で申請できる場合もあります​ 。

日本人配偶者がいる場合

日本人と結婚している場合、結婚してから3年、かつ日本に1年以上居住していれば永住権を申請できます​ 。

審査期間

申請後、審査には通常6ヶ月から1年程度かかることが多いですが、場合によっては2年近くかかることもあります。

永住権取得のためにかかる全体的な期間

申請の準備には数ヶ月かかることがあり、弁護士への相談や申請書類の不備があるとさらに時間がかかることがあります。このように、永住権の取得には通常1年から2年程度がかかると考えられますが、個々の状況やビザの種類によってその期間は変動します。

永住権申請の条件

永住権を申請するためには、以下の条件を満たす必要があります。

・在留実績
・安定した収入
・法令遵守
・その他の条件

在留実績

一般的には、日本に10年以上継続して在留していることが条件となりますが、このうち5年以上は就労ビザや家族滞在ビザでの滞在が必要です。ただし、高度人材ポイント制や日本人配偶者など特定のケースでは、在留期間が3年や1年に短縮される場合があります。

また、永住権を申請する時点での在留資格が中長期在留者であることも必要です。短期滞在者や研修生ビザなど、特定のビザでは申請することができません。

例外的ではありますが、特定技能や高度専門職の在留資格を持つ人々は、通常よりも短い在留期間で永住権を申請することができる場合もあります。高度専門職の場合、1年や3年の在留で申請が可能なケースも存在します。

安定した収入

申請者には安定した収入と生活基盤が求められます。これには、継続的な就労やビジネスによる収入が含まれ、さらに納税や社会保険料の支払いが適切に行われていることも条件です。

法令遵守

良好な素行も重要な要素であり、日本国内での法令遵守や社会秩序を守って生活していることが求められます。例えば、交通違反や犯罪歴がないこと、納税義務をしっかりと果たしていることが含まれます。

その他の条件

申請が認められるかどうかは、最終的に法務大臣の裁量で決定されます。上記のすべての条件を満たしていても、永住権が必ず許可されるわけではない点にも注意が必要です。

さらに、申請者が日本社会にとって利益となる存在であることも評価されます。特に高度人材や起業家の場合、この観点から有利に働くことがあります。

特定技能外国人は永住権を取得できるか

前述した内容を考慮すると、特定技能外国人が永住権を取得することは可能ですが、いくつかの重要な条件があります。特に、特定技能2号への移行や他のビザへの変更が必要であり、10年の滞在要件を満たすことが不可欠です。

永住権を申請するためには、通常10年以上の滞在が求められます。特定技能外国人もこの一般的な要件を満たす必要がありますが、特定技能1号の在留期間は最大で5年と定められているため、10年の滞在要件を達成することが難しい場合があります

以下が特定技能外国人が永住権を取得するための条件です。

特定技能2号への移行

特定技能2号は無期限で更新が可能であるため、このビザに移行できれば、10年の滞在要件を満たすことが現実的になります。しかし、特定技能1号から2号への移行には一定の条件があり、適用される分野も限られています。そのため、特定技能2号への移行を計画する際は、十分な情報収集と準備が必要です。

その他の重要な要件

永住権の申請には、10年の滞在要件のほかにも、安定した収入、適切な納税状況、法令遵守の実績が求められます。

よって、これらの要件を満たしている場合、特定技能外国人でも永住権を取得できる可能性があります。

永住権申請の流れと必要書類

以下で永住権の申請の流れと必要所類について説明します。

申請の流れ

永住権を申請する際の一般的な流れは以下の通りです。特定技能外国人が知っておくべき永住権取得の条件と手続き 2

1. 在留資格変更

特定技能1号から2号への変更が必要な場合、まずこの手続きを行います。特定技能2号に移行することで、永住権取得に向けた長期滞在が可能になります。

2. 書類の準備

必要書類を整えることが重要です。具体的には、住民票、納税証明書、収入証明書などが必要になります。これらの書類は、安定した生活基盤と素行が善良であることの証明として役立ちます。これらのほかにも多くの書類が必要なため、詳しく知りたい方は以下のサイトを参考にしてください。

出典:)
・「特定技能で永住権は取れる?申請の条件と申請方法について詳しく解説!」株式会社KMT | 特定技能・登録支援機関のご相談なら我々KMTにお任せください!
「永住許可申請にかかる提出書類一覧表」法務省

3. 申請書の提出

準備が整ったら、入国管理局に書類を提出します。申請には詳細な審査が行われるため、書類の不備がないように注意が必要です。

4. 審査と結果通知

申請後、通常数ヶ月から1年程度の審査期間が必要です。

そして、審査後に結果の通知があり、申請が許可されると入国管理局で手続きを行いますが、そのときに8,000円の手数料がかかるため注意しましょう。

配偶者や子どもが永住権を取得するには

日本人配偶者の場合と外国人配偶者の場合の2パターンに分けて解説します。

日本人配偶者の場合

日本人の配偶者がいる場合、子どもの永住権取得の条件は一般的に緩和されます。また、その場合、子どもは日本国籍を取得すると良いといえます。

実際、父母どちらかが日本国籍を有していれば、出生地が日本であっても外国であっても、その子どもは日本国籍を取得することができます。この場合、「日本人」になるので、在留資格の更新等も必要なくなりますし、選挙権、被選挙権も得られるため、永住権よりも多くの権利を得ることができます。

外国人配偶者の場合

外国人配偶者や子どもが永住権を取得するためには、申請者本人と同様の厳しい条件を満たす必要があります。特に、収入要件は重要で、夫婦ともに安定した収入が求められます。収入が安定していない場合、永住権の取得が難しくなる可能性があります。

永住権に関する注意点

以下で永住権の更新や身元保証人についての注意点を解説します。

永住権に更新は必要?

永住権(永住ビザ)は、通常、更新の必要がない場合が多いです。一度取得すると、基本的には有効期限がなく、再申請や更新を行う必要がありません。しかし、以下の2点に注意が必要です。

・再入国許可
・在留カードの更新

再入国許可

日本を一定期間以上離れる場合、再入国許可を取得する必要があります。これがないと、永住権が無効になることがあります。

日本を出国後、1年以内に再入国しない場合、在留資格は消滅します。海外で再入国許可の手続きはできません。1年を超えて滞在する際には、事前に再入国許可が必要です。また、出国後1年以内に在留期限が切れる場合は、その期限内に再入国しなければなりません。

詳しく知りたい場合は「再入国許可制度とは(宝塚駅徒歩3分の行政書士事務所 宝塚/伊丹/三田/西宮/川西)」を参考にしてください。

在留カードの更新

日本の永住権保持者は、在留カードの有効期限が切れる前に更新が必要です。通常、在留カードは7年ごとに更新が必要です。在留カードと永住権は異なるものであることに注意してください。

これらの点を守っていれば、永住権自体を更新する必要はありません。

身元保証人は必要?

永住権を取得する際には、身元保証人が必要です。身元保証人は、日本での申請者の生活や行動に対する責任を負い、経済的な保証も行います。

通常、身元保証人は日本国籍を持つか、永住者であることが求められます。ただし、身元保証人は賠償責任を負うわけではないため、保証人を見つけることが大きな負担になることはないと思われます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、特定技能外国人が日本で永住権を取得するために必要な手続きや条件について解説しました。永住権取得のメリットやデメリット、具体的な手続きの流れを理解することで、企業のグローバル化と社内の活性化に役立てることができます。この記事が特定技能外国人の採用を検討する一助になれば幸いです。

外国人エンジニアの採用ならRISE for Business

WIRISE RISE for Business

株式会社WILLTECが運営する外国人エンジニア紹介サービスRISE for Businessを利用すれば、効率的に外国人エンジニアの採用を行えます!

初期費用0円
・3つの料金プランから自社の予算・希望サービスにあったものを選択
・ユーザーは日本語学習者100%、理系大卒・院卒・専門卒100%
1週間以内応募71.4%
・これまで約1300人の外国人人材を仲介

ご興味のある方はぜひお問合せください!

外国籍エンジニアの採用ならRISEfor