少子高齢化とITが進む日本社会では、エンジニア人材不足が深刻です。優秀なエンジニアの採用を課題だと感じている企業の方も多くいらっしゃると思います。
そんな中、ベトナム人エンジニアの需要が日本国内で高まっているのです。ベトナムは親日国家であり、現在6万人以上のベトナム人が日本で就労しています。
この記事では、そんなベトナム人エンジニアを採用するには具体的にどの様な方法があるのか、解説していきます。
ベトナム人エンジニアが日本で増加!その理由とは?
ここではベトナム人エンジニアが日本で増えている理由を解説します。前提として、日本で働くベトナム人労働者数は日本貿易振興機構が行った調査「ビジネス短信」によると、2023年5月末時点で約46万人です。そのうち、エンジニアとして日本で働くために必要な「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つベトナム人労働者は2022年6月時点で約5万人、2023年の同月には約6万人に達しています。この数字はエンジニア以外も含みます。
ベトナム人エンジニアに限定した公的データについては公表されていないため実数は確認できませんが、ベトナム政府がITやコンピューター工学などの科学技術系の高等教育、大学院、研究開発の予算を増やして注力していることを踏まえると、日本でベトナム人エンジニア数は増加傾向にあると考えられます。
日本で働くベトナム人エンジニアが増えている理由は主に以下の2つです。
・親日国家である
・日本語学習者が多い
それぞれ詳しく解説していきます。
親日国家である
ベトナム国内では日本に対する印象が好意的であるという点が挙げられます。
海外における対日世論調査|外務省によると、日本を自国にとって重要なパートナーと感じてくれている人は68%、国同士の関係が「とても友好的な関係にある」「どちらかというと友好的な関係にある」と答えた人の合計は96%にのぼっています。
そのため、日本が好き、治安が良いなどの理由により日本で就業を考えるベトナム人エンジニアは多いのでしょう。
日本語学習者が多い
2つ目の理由は日本語学習者が多いからです。以下の表は文化庁が行った「文化庁令和3年度国内の日本語教育」をもとに作成しました。それぞれの国における日本語学習者の人数と割合を示しています。
国・地域名 | 人数 | 割合(%) |
中国 | 47997 人 | 38.9 % |
ベトナム | 24735 人 | 20.0 % |
フィリピン | 5952人 | 4.8 % |
大韓民国 | 4702 人 | 3.8 % |
中国、ベトナムの2か国で半数以上を占めており、人口を考えるとベトナム人の日本語学習者は多いといえるでしょう。
親日国であるのが相まって日本語学習者が多く、ベトナム人就業者が多いことが考えられます。
ベトナム人エンジニアが優秀なポイント
日本国内で働くベトナム人エンジニアが増加傾向にあることはお分かりいただけたと思います。その理由は先述の通りなのですが、加えてベトナム人エンジニアは優秀なのです。ベトナム人エンジニアが優秀だと言える理由は大きく分けて3つあります。
・英語を話すことができる
・使用できるプログラミング言語が多い
・国民性からくる性格がエンジニア向き
それぞれ詳しく解説していきます。
英語を話すことができる
世界的な英語能力試験EFをもとに算出された英語能力指数の世界ランキングによると、ベトナム人の平均英語能力は112カ国中66位です(2022年6月末時点)。
日本は78位なので、ベトナムには日本人よりも英語能力に優れた人が多いことが伺えます。これはベトナムが外国語教育、特に英語を重視しているのが影響しているのでしょう。
上記に加えて、特にエンジニアはプログラミングについて学ぶときに英語の公式ドキュメントを参照する必要などがあるため、ベトナム人エンジニアには英語が得意な方が多い傾向です。
使用できるプログラミング言語が多い
ベトナム人エンジニアに人気のプログラミング言語はJavaScriptが第1位です。続いてJava、PHP、Python、C#などが続きます。フレームワークならLaravel、NodeJS、React、Vueなど、いわゆるモダンな開発環境で使われるようなものが人気です。
いずれも日本のIT市場においてニーズの高いポピュラーな技術ばかりなので、幅広い開発領域に対応できるでしょう。
日本では採用難易度の高い、Unityを用いたスマホアプリの開発やRubyによるバックエンド開発ができるエンジニアも多く見受けられます。
出典:)「ベトナム人エンジニアの特徴とは?採用メリットと注意事項を解説」パーソルエクセルHRパートナーズ株式会社
国民性からくる性格がエンジニア向き
ベトナム人は一般的に、温厚な性格で器用な人が多いといわれます。また勤勉な性格なのも特徴で、空き時間に語学スクールに通うほど勉強熱心な人も少なくないようです。
エンジニアはコツコツ真面目にスキルや知識を積み重ねていく必要がある職業ですから、この点では適正が高いといえるかもしれません。
ただし、地域によって多少性格の差が出るともいわれます。というのも、ベトナムの国土は南北に長く伸びた形をしており、日本の北海道と沖縄のように地域によって気候が大きく異なるため、住民の性格にも影響があるといわれています。
厳しい暑さや寒さに見舞われることもある北部の人は真面目に貯金をするようなタイプが多く、年間を通して過ごしやすい南部の人は明るく陽気な楽天家が多い傾向があるようです。
ベトナム人エンジニアを採用するメリット
ベトナム人エンジニアは先述の通り優秀でその人数も増加傾向にあるのですが、企業に新しくベトナム人エンジニアを採用するにあたって具体的なメリットがいくつか存在します。
ここでは、ベトナム人エンジニアを採用するメリットを詳しく解説します。
・即戦力を確保できる
・社内グローバル化によりビジネス機会が生まれる
・若くモチベーションのある人材が多い
即戦力を確保できる
レベルの高い理系大学も複数あり、多くの日本企業が大学と連携して学内で日本語教育を実施しています。優秀な学生獲得に積極的なことからも、即戦力化が期待できることが推察できます。
ベトナム人エンジニアを採用することで、企業の即戦力となる優秀な若手エンジニアの獲得が期待できます。
社内グローバル化によりビジネス機会が生まれる
ベトナム人やその他の外国人を採用することによって新しいアイディアが生まれる可能性が高いです。日本は違う文化、環境で育っているため違った角度から物事を捉えることができるため、新たなビジネス機会を生み出すきっかけになるかもしれません。また外国人を採用することによってビジネスにおいて使用できる言語が増えることによってビジネスの販路拡大にも期待できます。
■ダイバシティな組織を作りビジネス機会を増やしたい方は下記の記事を参考にしてください。
外国人採用でダイバーシティな組織は実現可能?取り組み事例や日本の現状を解説
若くモチベーションのある人材が多い
自分が海外に単身で働きに行くことを想像すればわかる通り、日本まで出稼ぎに来るベトナム人エンジニアの方は、若くチャレンジ精神があり、母国で高い評価を受けている場合が多いです。
そういったエンジニアを迎えることは、社内環境の活性化にもつながるためおすすめです。
■外国人採用のメリットについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
企業の外国人労働者受け入れの取り組みと現状は?推移やメリット、採用方法を解説
ベトナム人エンジニアを採用するデメリット
ベトナム人エンジニアを採用するにあたって、もちろんメリットだけでなくデメリットも存在します。ここでは以下の3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
・採用にあたって時間的コストがかかる
・仕事以外の生活的サポートが必要
・文化的な背景を考慮する必要がある
採用にあたって時間的コストがかかる
日本国内では、在留資格を持たない/就きたい職に適した資格を持たない外国人を雇用することができません。厚生労働省東京労働局のホームページにも簡潔に記述されていますが、在留資格を持たない・資格と業務が異なっている外国人労働者を雇用すると雇用企業にも三年以下の懲役または300万円以下の罰金が課せられます。
こうしたトラブルの回避のためにも資格の確認、申請に時間的コストがかかってしまうのはデメリットと言えるでしょう。
仕事以外の生活的サポートが必要
外国で生活するのは簡単なことではありません。コミュニケーションがうまくいかずに孤独感を感じ、帰国してしまう外国人の方も多くいます。
せっかく優秀なエンジニアをコストをかけて雇用したのに、すぐに退職してしまっては元も子もありません。そういったメンタル・生活面でのサポートが必要になってくるのもデメリットの一つと言えるでしょう。
文化的な背景を考慮する必要がある
ベトナム人エンジニアを採用する際は、文化的な背景を考慮する必要があります。時間や上下関係、表現、評価など日本人とはかなりギャップがあることは確かです。
日本の文化に合わせてもらう、という意識ではなく、どうしたらお互いが最も仕事をしやすい環境を作るのか、が大事です。ベトナム人エンジニアを採用する際は、制度を整えてから採用するのが良いでしょう。
■外国人労働者の文化的な背景については下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ベトナム人エンジニアを採用するときの注意点
ベトナム人エンジニアを採用するときの注意点は以下の3つです。
・就労ビザの取得・更新が必須
・日本語が話せるベトナム人エンジニアが少ない
・内定を出すスピードを速くする
・民族や宗教に配慮する
・雇用条件を日本人と同等にする
それぞれ詳しく解説していきます。
就労ビザの取得・更新が必須
外国人採用の際は、在留資格の取得が必要です。就労ビザの書類審査から審査結果がおりるまで、約1〜5ヶ月かかるため、時間がかかることを想定しましょう。
また日本にいるベトナム人エンジニアを採用する場合と海外にいるベトナム人エンジニアを呼び寄せる場合では必要な手続きや申請書類が異なるので注意しましょう。
■在留資格や取得方法について詳しく知りたい方はこちら!
日本語が話せるベトナム人エンジニアが少ない
ベトナム人エンジニアは必ずしも日本語を話せるわけではありません。近年日本に留学生や技能実習生として日本にくるベトナム人が増えています。しかしその一方で日本語習得率は低いと言われています。ベトナム語はアルファベットを使用しているため、「漢字、平仮名、カタカナ」を理解するのは非常に難しいそうです。そのため、ベトナム人にとって日本語は難しく、「読み書き」、「会話」を行うことができるレベルに達するには少し時間がかかることを念頭に置きましょう。
■外国人労働者の日本語教育の現状を知りたい方はこちら!
内定を出すスピードを速くする
ベトナム拠点の日本企業や、日本国内の企業の大多数は内定を出すための最終決議に本社の稟議が必要となることが珍しくありません。企業規模が大きいほど、面接から内定の稟議がおりるまで時間がかかる傾向があります。
反対に、ベトナムの企業、または外資系企業のケースでは、面接を行ったその日に内定が出ることが多く、面接の1週間後には企業で働き始めることも当たり前です。ベトナム人エンジニアたちは短期間の就職活動に慣れています。ベトナム人エンジニアを採用する際は、内定を出すスピードを速めなければ、稟議がおりている間に他者の引き抜きに合ってしまう可能性が出てきてしまうので注意しましょう。
民族や宗教に配慮する
ベトナムは54の民族によって構成された多民族国家で、8割以上はキン族が占めています。
信仰されている宗教は約8割が仏教です。このほかキリスト教(カトリック)やヒンドゥー教も信仰されています。またカオダイ教、ホアハオ教など、中には日本人には耳馴染みのない、ベトナム特有の宗教もいくつかあります。
宗教や文化の違いは、どんな外国人と働くにしても重要なポイントです。特に宗教への信仰が深い国の場合は、どんな配慮が必要なのかを理解しておく必要があります。
雇用条件を日本人と同等にする
ベトナム人エンジニアを雇用する際は日本人と同じ雇用条件にするようにしましょう。日本人エンジニアと比べあまりにも賃金が安いなど、雇用条件に歴然とした差がついていると、ベトナム人エンジニアが不満を抱いてしまうのは当然のことです。
その結果、優秀な人材が離職してしまうことにつながります。日本の労働基準法では、日本国内で働く人材に対し、国籍を問わず、労働基準法で定められているルールが適用されます。すなわち、外国人であることを理由に、雇用条件において福利厚生など、差別をすることは法律で禁止されているのです。
倫理観の側面と、法律的側面からベトナム人エンジニアであっても日本人と同等の雇用条件にすることが求められます。
出典:)「外国人労働者に対する労働関係法令の適用」厚生労働省
■外国人エンジニアの給料については下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ベトナム人エンジニアを積極採用すべき企業
ベトナム人エンジニアを積極採用すべき企業の特徴は以下の2つです。
・質とコストを両立したい企業
・グローバル進出を考えている企業
それぞれ詳しく解説していきます。
質とコストを両立したい企業
質とコストを両立したい企業はベトナム人エンジニアを積極的に採用すべきです。これまで解説した通り、ベトナム人エンジニアは優秀な大学を卒業した人であれば、かなり高い質が担保されます。コストについても、ベトナム人エンジニアは日本人とあまり変わらない水準で雇用が可能です。
日本ではエンジニアが圧倒的に不足しているため、日本人の優秀なエンジニアを採用する場合は年俸を1.5〜2倍程度、高く設定する必要があります。しかし、ベトナム人エンジニアの場合、1〜1.3倍程度で同じような人材を採用することができるのです。
優秀なエンジニアが欲しいが、それほど高いコストをかけられないという企業は、ベトナム人エンジニアの採用を検討することをおすすめします。
グローバル進出を考えている企業
次に、ベトナム人エンジニアを積極的に採用すべき企業の特徴としてグローバル進出を考えている企業が挙げられます。
グローバル進出を考え、社内で英語研修を行ったとしてもどうしても実践レベルまで引き上げるのは難しいです。また、日本人エンジニア同士だと共通言語の日本語で会話をしてしまうので、実務で使うタイミングは少ないといえます。
ベトナム人エンジニアを採用することによって、ベトナムの共用語であるベトナム語や日本語で意思疎通するより英語の方がコミュニケーションを取りやすいでしょう。半強制的に英語で仕事を行わざるを得なくなり、社内の英語レベルが効率的かつ迅速に上がる可能性が考えられます。
ベトナム人エンジニアを採用する方法
ベトナム人エンジニアを採用する方法は大きく分けて2つあります。
・ヘッドハンティング
・人材紹介サービスを利用する
それぞれ詳しく解説していきます。
ヘッドハンティング
1つ目はヘッドハンティングです。知り合いの紹介やSNSを通じて企業側がエンジニアに直接アプローチする方法です。これは、エンジニアに直接アプローチできるという面では有効な方法ですが、知り合いの人脈やタイミングなど不確定要素を多く含んでいます。
人材紹介サービスを利用する
2つめの方法は人材紹介サービスを利用するという方法です。もちろん、ヘッドハンティングよりコストはかかりますが、確実に優秀なベトナム人エンジニアを採用することができます。なぜなら人材紹介企業の多くは成果報酬型を採用しており、1名あたり〇〇万円、という様に決まっているからです。
■下記の記事で外国人採用のノウハウを解説しています。ぜひ参考にしてください。
優秀なベトナム人エンジニアを採用できるおすすめ企業
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まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はベトナム人エンジニアの特徴や積極採用すべき企業などを紹介してきました。
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